2015-08-19 雑踏 そら、見るがいい、休日でもないのに、この雑踏…人が集まるから、雑踏になるのではなく、雑踏があるから、人が集まってくるのだ。嘘じゃない、あの与太者とそっくりの髪型をした学生たち、淫蕩な役柄で売り出した女優そっくりの化粧をした貞淑な妻たち、骨ばったマネキン人形とそっくり同じ流行の衣装をつけた豚のような娘たち…ほんの束の間、空想でもいいから、誰でもない者になろうとして、雑踏の中にまぎれ込んで来ているのさ。(安部公房『他人の顔』)この部分を読んだときは渋谷にいたので、なんだかドキッとしました。そして描いた雑踏。…なんかまぬけ